2008年1月6日

「4合を午後6時に炊き上がるようにセットしておいて」には Leadership の全てがあるお話 -2- 子供にでもできるように作業を分割してある

最初の項目は『子供にでもできるように作業を分割してある』だ。正確には、作業を分割しすでに手順を教育してある事になる。

「4合を午後6時に炊き上がるようにセットする」

というこのコマンドを実施するには、最低限でも次の知識が必要だ。

a) 「4合のお米」の計測方法が判っている
b) 4合以上お米の備蓄があり、それがどこにあるか判っている
c) 必要に応じて、お米を洗う方法がわかっている。
「必要に応じて」なのは無洗米かもしれないから。
d) 一緒に入れる水の分量がわかっている
e) お米の炊飯方法がわかっている。
多くの場合、これは炊飯器の操作方法と、タイマーの設定方法がわかっている、ということだ。

しかし、実際にはこれらのほかに次の大きな障害物を考慮しなくてはいけない。

f) 兄弟姉妹の内、年長のものがこれを実施するとする。
すると弟妹がこれを邪魔する行為に出る場合が、大雑把に 1/3 の確率で発生する。
この状態でも危険な状態に陥らず、できればお米が無駄にならないように環境が整えられている

この f の条件はプロジェクトが失敗する要因のうち、予測可能なものでなおかつ発生確率の高いものについて対策を打つ事を意味するが、お母さんという立場はこのことを常に念頭に置かなくてはいけない。

例えば、今回の場合だと、
1) お米の計測を邪魔する
2) 洗米を邪魔する
3) 水を張る段階で邪魔をする
4) 炊飯中に邪魔をする
の4通りの邪魔の仕方が考えられる。台所で真に危険なものは火と刃物だ、という事を考えると、今回「刃物」は使う必要がないので火に注意すればよい事がわかる。手順で言うと 4 だ。ここだけは死守しなくてはいけない。でないと、人死にがでかねない。

このことから、電子炊飯器を使って炊飯するべきであって、ガスの炊飯器や土鍋で炊いたりしてはいけない、ということが判る。ガス式炊飯器は電気式炊飯器に比べて より悪戯に弱い という性質を持っているからだ。

これはさらに本質を考えると、小さい子供が親がいないときに行う悪事は、親がいるときに行う悪事よりも、悪質で被害が拡大しやすい事を意味する。親がいる間は悪事は自分自身に降りかかってくるが、親さえいなければ年長者のせいにしたり、後片付けをそちらに押し付けたりできるなど、
同じリスクでより派手な悪事を行える
からだ。

「4合を午後6時に炊き上がるようにセットしておいて」というこのリクエストを子供に発行するためには、以上のようなポイントをすべて考慮した上で炊飯器を選択し、米びつなどを準備してから、子供にやり方を教えなくてはいけない。また、上の子供が飯ごう炊飯などのやり方を知っており、炊飯器が壊れたからといって、土鍋で炊いておくよう頼んではいけない事を意味する(少なくとも下の子と二人だけで留守番をさせているときには)。


これは、仕事における準備と環境設営と同じ事だ。仕事の場合も、同じようなポイントについて注意しつつ(あぁ、もちろん、小さな子供がどのような悪さをするのかは、気にしなくて良いが)、仕事をするために必要な環境を整える必要がある。そのためには作業内容を分割し(あるいは Engineer に分割してもらい)、注意点を教えてもらい、対策を考慮し(あるいは Engineer に考慮してもらい)、必要なことが揃っている事を確認する必要がある。


Team で仕事をする場合 Leader に期待される事に「準備」がある。お母さんというものは、日々の生活の中でこのように「準備」の大切さに直面し続けているはずなのだ。

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