父ちゃんの方は伝記だが、息子の方は自伝である。
英語版は確か1990年に発行され、日本語訳されたのが「IBMの息子」。で、先ごろ、装丁を変え、1冊にまとめられたのが「先駆の才」。内容的にはほとんど変わらないといいますが、古いほうは表紙と厚みぐらいしか知らないので、何ともいえない。もし、父ちゃんの方とセットで集めるなら、新しい装丁の方が良いと思う。
TJW-II は何をやった事で有名かと言うと:
- IBMを電子計算機の会社にした。父親は、あくまでもパンチカードと言う「機械式」の計算にこだわったのだ。
- TJW-Iが作り上げた社風を、簡潔に、判り易くまとめた。これによって「TJWのdirection」をフランチャイズしやすくした。これが最終的に『安心して判断を任せられるマネージャ』の増産につながり、結果として権限委譲をやりやすくし、これによってIBMの拡大速度を飛躍的に高めた。
特に、IBMの3つの指針はわかりやすさと、実行の難しさで有名。
- TJW-II も激情型。TJW-I 以上に雷は激しかったと言う。
- TJW-I が New York州 Endicott という村を技術拠点として使ったのに対し、TJW-II は New York 州 Poughkeepsie という町を技術拠点とした。
あぁ、なるほど。私が中学1年-2年の夏までいた所か。どうりで Endicott だけでは何か薫陶成分が足りないと思ったら。
この親子の伝記、読んでいて思ったのは…一世の奥さんであるジャネットさんは大変だったろうなぁという事。息子の自伝の方が先に出ているのに対し、父親の方の伝記はIBMの資料庫からの資料も参照しているので、「息子がこう感じていた頃、父親はこう感じていた」的な見方ができて面白いのだが、大半が『感情的にぶつかり合っている』のを家族が周りでおろおろ見ている、という図に落ち着くのが…。
面白いので、是非両方読んでみるとよいでしょう。
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