一例としては、こんな感じ。
みずほ銀行 | 普通預金金利 | 0.040% |
---|---|---|
定期預金 | 0.15% - 0.25% | |
貯蓄預金 | 0.07% | |
三菱東京UFJ銀行 | 普通預金 | 年0.040% |
スーパー普通預金 | 年0.050% | |
スーパー定期 | 年0.150% - 年0.250% | |
自由金利型定期預金(大口定期) | 年0.150% - 年0.350% | |
貯蓄預金 | 年0.040% - 年0.050% |
見ての通り、出し入れ自由だと 0.04% - 0.05%, 出し入れ不自由だと 0.15% - 0.35% と言った所。3年預けたとして、利子は
0.04% | 1.0004^3 = 1.00120048 | 0.12% |
---|---|---|
0.05% | 1.0005^3 = 1.00150075 | 0.15% |
0.15% | 1.0015^3 = 1.00450675 | 0.45% |
0.35% | 1.0035^3 = 1.01053679 | 1.05% |
と言った所。
なぜこんなことを計算しているかと言うと、実はこの本を読んでいるから。
この「新・資本論」という本の中に、こういう記述があるのだ。
日本でお金を稼いだとき、私はそれを三つに分けることを推奨する。三分の一をドルに、三分の一をユーロに、そして残りを円建ての金融商品に転換するのである。(p.142)
為替相場が乱高下しているときに「三分の一」にするのはどうかと思うが、これは結構面白いポイントをついていると思う。つまりこういうことを考えるのだ:
普段から銀行口座を3種類持つ。ドル建て、円建て、ユーロ建ての3つ。
そして、それぞれに対してクレジットカードを1つづつ作る。
収入を得たら、日常に使うお金は円建てに、残りを為替相場に応じて、適当に分配する。
何か買い物をする場合は、そのときの為替相場を考慮して、もっとも効果的な口座から引き落とされるカードを利用する。
例えば円高ドル安ユーロ安の場合は、すべての決済を円口座カードで済ませる。また、ドルやユーロ建ての講座に多い目にお金を預ける。
逆に円安ドル高になったら、決済をドル口座カードで済ませる。この場合、円高ドル安だった頃に買ったドルで決済をすることになるので、為替差額がそのまま利子として働く。
このような運用をした場合と、すべてを円建てで運用して定期預金などを使った場合と、どっちがお徳か考えてみよう、というわけ。話を簡単にするために、期間は3年限定とする。また、為替相場は現在の1ドル100円を基準として、1ドル最低95円、最高105円の範囲で動くとしよう。ユーロは考えない。とりあえず面倒だから。最後に、カード破産はしない、という前提も必要だね。
ようするに、1ドル95-100円の範囲の場合、ドル建てを 60%, 円建てを40%で、100-105円の場合、ドル建てを40%, 円建てを60%で普通預金に入れる事を考える。どうせ利子は付かないに等しいので、考慮しない。
一方で、消費する場合は1ドル95-100円の範囲の場合は円建てカードを優先、100-105円の場合はドル建てカードを優先で使うことにする。不足したらもう一方のカードで支払う。
これをすべて円建てで見ると、円建て口座の方は入れた金額が貯蓄金額だ。一方でドル建て口座の方は、1ドル97.5円平均で入金して、1ドル102.5円平均で出金することになる。利子としては 5.12% ついているのに等しい。円とドル半々で利用するので、実質利子はこの半分、2.5%…さらに不足分が出た場合のソンを考慮すると… 2%ぐらいか。
なんだ。
各通貨の銀行預金を作り、それぞれを引き落とし先とするクレジットカードを作り、為替相場に応じてどのカードで引き落とすかを変える
という比較的リスクの少ない戦略を使っただけでも、銀行の定期預金よりも利率が良い結果になるじゃないか。