英語をどうにかするには次のようなことをまず念頭におく必要がある。
- 英語で伝える必要があることは何なのか考える。
英語でなくても伝わることを、英語で伝えようとする必要はない。 - 「伝えよう」という熱意がまず何よりも大事だ。ちょっと努力して、すぐ諦めるようではいけない。
- 名詞をまずどうにかしよう。特に自分の専門に関する用語・単語は英語で書くようにしよう。カタカナでは最後の瞬間にスペルがわからなくなる。最初からアルファベットを使って書くように。
- 類語・類似の表現を日本語レベルで思いつく訓練をしよう。
「洗剤」に該当する単語を思い出せなくても、「服を洗う石鹸」と表現できれば目的は達成できる。 - 日頃から、文章を短くする訓練をしよう。話し言葉のレベルで短く。そして主語や述語を省略しないように訓練しよう。
長くて、主語が倒置してしまうような文章は、ただでさえ翻訳しにくいものだ。それをリアルタイムで英文に直す事など不可能に近い。普段から不明瞭な文章を話さないようにすることで、「頭の中で英語に直し易い」文章を普段からつむぎだせるようになる。そういう文章を英語に直すのは、比較的楽なはずだ。 - 判らない単語に拘泥しない。
意味が後で推測できるかもしれないのだ。判らない単語はスキップして判るところをつなぎ合わせるようにしよう。 - 日本語混じりだって、意味は通じる。英語だけで話そうなどと拘泥する必要はない。
- そもそも日本語を話すときに、文章を単純明瞭にする事を心がける。そうすれば英訳する際の負担は軽い。
- 英語にできる部分から英語にする。つまり日本語の文章で、英単語がいっぱい混じっているのだってかまわない。逆に、判らないからと言って「聞くのを諦めてはならない」。
- 類似表現をいっぱい思いつくように、普段から訓練する。
「日本語を単純明快にする」というのは、やってみれば判るが、意外と難しい。これは「明確な文章を書く」事と同義なのだが、これが至難の業なのだ。実際、「明確な文章を書く」というたった8文字のこの文章自体「明確」ではない。これは正確には:
聞き手にとって明確に意味が把握できる文章を書く
という意味だ。「自分からすれば十分明確である」と言うのは、この場合の「明確な文章」の意図に反する。従って、「単純明快な文」とは単に短い事を意味しない。必要十分な情報が入った上で、短くなくてはいけないのだ。と言うことは、1文1文が内包できる新規の情報は、少量にならざるを得ない。と言うことは、何をどの順番で言うのか、という点にまで気を使う必要がある、と言うことだ。
- 新しい単語を使う前に、その定義を明らかにする。
- 文の主体を可能な限り一貫させる。
- 時間の流れを可能な限り順方向にする。
最後に、「英語を話す能力は日本語を明確に話す能力に依存する」事に気がつかせてくださった、恩師の 安居院 猛 東工大名誉教授 に、ここに深く感謝いたします。
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