2007年5月6日

マークシート用鉛筆-5- 効能

さて、この鉛筆の効能について述べよう。そのためにはまず、マークシートのおさらいを。とはいえ、マークシート読み込み機を作った事は無いので、多少の間違いは許してください。


大抵の受験用マークシートと言うのは、左の図のように楕円形の中に A とか B とかの選択肢(1,2,3 かもしれないし、あいうかもしれないが)が書いてあって、正しい答えのものを鉛筆で塗りつぶせ、と言うことになっている。

で、これはどの欄がマークされているのか、機械で読み取って、その結果を元に採点するわけだが、いくらなんでもマークシート用紙を1つ1つ、デスクトップスキャナーで読み込むわけではない。どちらかと言うと PFU の ScanSnap のようにシートフィーダーを経由して、コピー機のような感じでゴリゴリと読んでいくわけだ。


すると、いくら機械精度が高くても、左の図のように、楕円形の中だけを検出し、その外はまったく検出しない、なんて判定システムは作れない。いや、作れなくは無いだろうけれど、ものすごくゆっくりとしか読み取れないだろう。





一応、周辺部には位置決めのためのしるしがたくさんついているけれども、現実問題としては、左の図のように楕円形を含むなんらかの形状があって、その中の一部が一定量以上塗られていればOKという判定ルールになっているはずだ。ツーかそれ以上複雑なことを判定している暇は無いはずだ。


一方で、大抵のマークシート型問題は3択や4択になっており、2つの印にマークがついているだけでもNGであることがほとんど。

つまり例えば左の図のようにAの楕円からはみ出していても、Aを囲む判定用の箱からはみ出していなければOK だが、





このようにAの楕円以外塗られていなくても、Bの判定用の箱まで塗られていると、読み取り精度の関係で、AとBの両方を塗ったことにされてしまう危険性がある、と言うことだ。

「楕円の中だけを塗れ」
「はみ出さないようにしろ」
とくどいほどいわれる理由はここにあるわけだね。


さて、このような領域に対して、シャープペンシル(0.5mm芯)で楕円の領域を塗ろうとすると、どうなるだろう?私の場合、こうなります。

1. まず、楕円の外周に沿って一周楕円を描きます。これが基本の外枠。


で、一周した後、最も動かしやすい方向に左右させながら(なので、微妙に右上と左下の間を往復する感じになるんですが)、この楕円形の中を塗りつぶしていく。


このやり方、大雑把に5-6秒かかって1つの楕円を塗りつぶすことになります。この塗り方は、少なくとも高校時代は周りに比べて結構良いタイムを出していた気がします。と言うことは、これを読んでいる皆さんも大抵、楕円1つに5-10秒ぐらいかけているのではないでしょうか?

このやり方は弱点がいくつかあります。

弱点1: 正確に塗りすぎ。
先ほども言ったように、正確に楕円形に塗る必要は無いのですが、なにぶんペン先が細かいため、「正確に塗れてしまう」のです。もう少しラフに塗って、その代わりスピードが出せるのならば、そのほうがよいはずです。

弱点2: 塗る面積が、ペン先の大きさに対して広すぎ。
0.5mmのシャープペンシルは、最も広く使われているものですが、この楕円形は大抵横幅が 3mm以上、縦方向も 5mm 以上あります。楕円形ですから 6*10=60倍と言うわけではないでしょうが、ペン先のおおよそ40倍もの面積を塗りつぶすのは、明らかに戦略として間違っています。


というわけで、これが、今回のマークシート用鉛筆だとどうなるか。もちろん、塗り方にもよるのでしょうが、私はこうやっている、という例を。

1. まず最も広くぬれるように鉛筆を持った状態で左図のように楕円の左半分に沿って、塗ります。





2. で今度は右側に沿って塗ります。








3. 最後に真ん中を塗りますが、芯の太さ(正確には、間違って削っちゃった量)によって、一発ですむ場合もあれば、2度縦塗りをする必要がある場合もあります。




このやりかた、私の場合ですと、芯の状態にもよりますが、 2.2秒から 3.0秒ぐらいでマークし終わります。大雑把に 1/2 の時間、2-3秒のタイムが短縮できるわけです。


「2秒なんてたいした時間じゃないな」
などと言うなかれ。

TOEICのリスニングコースですと、この2秒の間に次の問題の設問部をちょっと眺めることができます。これをやるかどうかで、設問文を読み上げている際に、何を覚えて何を忘れても構わないのか、その心構えができます。

同じくリーディングコースですと、全100問(ちなみにリスニングも100問)あるわけですが、合計で200秒= 3分も時間差ができます。リーディングコースは 75分しかありません。1問0.75分 = 45秒で解かなくてはいけないはずなのですから、3分差があると4問余計に解けることになります。


いや、仮に解けなかったとしても、「ラスト3分はあきらめて全部Aを塗る」暇ができるわけです。所詮マークシートは、四択であればマークしているだけで確率 1/4 で当たります。もちろん、TOEICのスコアはこのことを念頭において割り振られていますが、逆に言うとここで何もマークしないとひどい点数になるわけです。

同じことは、マークシートを使っているあらゆるテストについて言えます。「何もまったく手が出せなくて、時間があまりまくっている」場合はともかくとして、「あともう少し時間があれば…」という場合(実はテストと言うのはそういうケースが大多数になるようにレベルを設定するものなのですが)、1個当たり数秒しかメリットが無かったとしても、積算した時間は相応に意味のある時間になるものなんです。

えぇ、おかげで、今回の TOEIC も、安心して「勘を働かせる」時間が稼げました。
# あっ…

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