『新社会人にあなたならまず何を教えるか -2- CS』 において説明したように、Customer Satisfaction は3つの要素から成り立っている。
CS = T × T × F
最初のT | Technology つまり 「技術力」 |
---|---|
次のT | Transfer/Translate つまり 「伝える力」 |
F | Focus 「焦点」 |
この内、Technology についてはもう、ほぼ予測がついているのではないかと思う。商品に価値を加えるのも技術なら、商品を量産して不良品を出さないようにするのも技術だ。すべての作業を手作業で行うのではなく、一連の自動化された作業に変換するのも技術だ。これらによって、商品に付加価値を加える事、それも安定した品質で(商品ごとのばらつきを少なくした状態で)提供出来ることは、お客様に安心感を与える。
「これ…そっちのと同じに見えるけど、本当に同じかなぁ…」
「いや、普通は同じやろうけど、このメーカー、昔から信頼ないからなぁ…」
「いや、普通は同じやろうけど、このメーカー、昔から信頼ないからなぁ…」
なんぞと評価されるようでは、顧客満足度は向上しないのだ。ここに Automation と、それを実装するための Technology の重要性がある。
さて、問題は二つ目の T … Transfer/Translate あるいは Communication だ。これはなぜ重要なのだろう?
Customer が商品を買ってくれる人だとして、Communication が大事な理由は?
Customer が材料を売ってくれる人だとして Communication が大事な理由は?
そして Customer が社員だとして、Communication が大事な理由は何だろう?
なぜ Communication を重視すると顧客満足度は向上するのだろうか?
Customer が材料を売ってくれる人だとして Communication が大事な理由は?
そして Customer が社員だとして、Communication が大事な理由は何だろう?
なぜ Communication を重視すると顧客満足度は向上するのだろうか?
限定合理性を解決するため
実はこれだけで説明がつく。うん、判ってる。問題を「限定合理性」にすり替えただけだよね。まぁ、でもご想像の通り、ここから先は限定合理性の話になる。この限定合理性というのはこの次の Announcement でも重要なので
早速だが本を一冊紹介。この本はすごく簡単に言うと
第二次世界大戦で日本軍が行った数々のと言う話。太平洋戦争の日本軍には限定合理性から来る失敗が全てあります、と言わんばかりの勢い。いや、たぶん本当に全部あるんじゃないかと…。どう考えても負けるだろ、それは的な戦略的失敗は、従来は非合理性によって説明されていたが、実は限定合理性で説明すると論理的に説明出来る上に、他の組織の失敗についてもに多様なことがあるんじゃないかぁ?と言うことまで判る。
限定合理性の話が判ると、組織運営においてどういう落とし穴があり得るのか、特に参加者全員が善意から参加していたり非常に頭が良かったりしても、組織全体としてはうまく回らないことがなぜ起こるのか、よく判ります。たぶん、以下に述べる私の説明よりも。
とまぁ、逃げを打つのはこれぐらいにしておいて :p
仮に神様であれば、何かを判断する際に次のような前提を立てても大丈夫でしょう。
- 判断をくだすために必要な情報がどんなに膨大でも、取得コストは0である
- 判断をくだすために必要な情報がどんなに膨大でも、それを保持・参照するコストは0である(つまり時間をかけずにそれらを検討対象に加えることが出来る)
- 判断をくだすために必要な計算量・演算量がどんなに膨大でも、必要な時間は0で計算が終了する
- 判断をくだすために必要な情報が何なのか、わからなくなるなどと言うことは絶対にない(判断に必要な情報が何かを把握する、というコスト自体が0である)
あ、ここでいう「コスト」は、時間がかかるとか、お金がかかるとか、何かの作業をするために別のことを諦めなくちゃいけなくなるとか、そういったもの全てをさします。単にお金だけの話ではありません。
さて、人間は神様ではありません。ですから上記のような仮定は取れません。しかし、だからといって全ての判断がサイコロを振っているのと同じ、と言うほど非合理的でも無い。そこで、
人間は限定合理的である
と仮定し、その場合に様々なことが説明できないか?というアプローチがあります。経済学では 新制度派経済学 ( new institutional economics ) というのがそれだそうです。で、このアプローチで見て行った場合に、個々人の挙動について、(少なくとも)次の3つの理論が成り立つことがわかっています。
- 取引コスト理論
- エージェンシー理論
- 所有権理論
これらは全て、
- 判断をくだすために必要な情報を取得するにはコストがかかる
- 判断をくだすために必要な情報がを保持・参照するにはコストがかかる
- 判断をくだすために必要な計算量・演算量に応じてコストがかかる
- 判断をくだすために必要な情報が何なのか、わからなくなる事があり、それを解決するにはコストがかかる
という4つのコストの存在から出発しています。これらのコストが存在するのに、経済効果を最大化しようとすると…つまり欲の皮を突っ張らかせると、起こる現象に関する説明です。
次からは順に内容の説明と、それが Customer とのコミュニケーションにおいてどう大切なのか、見ていきましょう。あ、Customer は先に定義したCustomer の方ね。
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