2008年10月26日

東大合格生のノートには汚いものもある

『東大合格生のノートはかならず美しい』
えー??! うっそだー!?
それがタイトルを聴いた瞬間の感想。だって自分のものでこそ無いが、東大生のノートなら知ってる。家族にいるからだが。綺麗でもなければまとまってもいないぞ。

東工大生のノートも知ってるし、早稲田・慶応の理工学部合格者のノートも知っている(これは全部自分)。東大生に輪を掛けて汚い。

と言うわけで。何を勘違いしているんだろう??! と思い立って本を買ってみてみました。一瞬で納得。著者である「太田あや」はノートには3種類もある事を知らないらしい。知らなかったら、そりゃ勘違いするわ。

と言うわけで、せっかくの受験シーズン突入期。ノートの種類と共通する特徴についてちょっと書いて見ましょう。


まず、ノートの種類から。ノートには大雑把に3種類あります。

  1. 資料的ノート

  2. 答案用紙的ノート

  3. メモ


資料的ノート


『資料的ノート』というのが、『東大合格生のノートはかならず美しい』という本で集めているノートです。自前の参考書のようなものですね。確かにこの手のノートは長く保存するものですし、丁寧に作るでしょう。もしあなたがこの手のノートを作るタイプならば

そう、本質的に資料を作らない人のほうが多いんです。だってそんなのは参考書でいくらでも代替が利く。適切な参考書をいかに最初に吟味して選ぶか、そこをちゃんとやっていればこの手の資料は作らなくてもいい。

逆にこの手の資料を作るタイプの人は「資料を作る過程で」物事を覚えていく。なのでこのタイプのノートを読み返しているとき、その人は実際には
「そのノートを作っている自分をリフレインする形で記憶を更新している」
のであって、そのノートに書かれていることそのものを覚え直しているのではない、と言うことも念頭に置いた方がよいでしょう。

答案用紙的ノート


『答案用紙的ノート』は問題集を解くためのノート。問題集を解く時に使うノートです。これは単に問題を解くために使うのではありません。自分がどのようにして問題を解いたのかを分析するためにも使います。

答案用紙的ノートを普段のノートと分けていない人は意外と多い。しかし考えて見れば『資料的ノート』の中に、問題集を解いた結果が混ざっているのは読みにくい。『答案用紙的ノート』の中に『資料的ノート』が挟まっているのも(いろいろカンニングが出来て)都合が悪い。なので、ノートとしてこれは独立させる必要があるのです。

メモ


『メモ』は、授業などで使うノートです。授業中と言うのは授業の流れに応じて先生の説明を記録したり、与えられた問題を解いたり、暇になったら落書きしたり…と実に無茶苦茶な使われ方をするものです。なのでメモ用ノートは『資料的ノート』『答案用紙的ノート』のいずれとも分けなくてはいけません。




さて。殆どの人は『メモ』タイプのノートしか持っていないのではないでしょうか?
これに対して、『東大合格生のノートはかならず美しい』で集めているのは資料的ノート。そりゃこの2つを比較したら「東大に合格する奴のノートは違うんだなぁ」と勘違いするでしょう。

でも実際には「別のノートを見せられている」から違うに決まっています。投入する力が違うんですから見てくれからして違うに決まっている。

「なるほど。じゃぁ全く参考にならないのか」

そんな事はありません。資料的ノートとして見るならば十分参考になるでしょう。あと全体でなるべく共有するべき特徴があります。

  1. 余白を十分に取る

  2. 区切りを大事にする

  3. 丁寧に書く

  4. バインダーを使わない(メモは「なるべく」。残り2つは「絶対」)


最初の3つは『東大合格生のノートはかならず美しい』でも述べられていますね。


余白を十分に取る


余白はノートの表面を眼が流れていくときに、自分にとって重要な情報がどこに書かれているのかを知る重要な手がかりです。無駄に文字を密集させたノートは読みづらく、故に読むのに時間がかかります。「資料」「メモ」の2種類についてこの性質が重要なのは言うまでもありません。

「答案用紙」タイプでもこの性質は重要だ、と言うのを知らない人が多いのが問題です。問題を解く場合、特に大学受験の数学は、条件分岐と部分証明の繰り返しが頻発します。極めて煩雑な作業で、途中で気が遠くなる。このときに見通しの悪い回答だと、証明するべき内容を1つ2つすっ飛ばしてしまう、などのミスが発生します。ほんの数分未来の自分がミスをしないようにするために、視認性の高い回答を書く必要があるのです。

あと、もう1つ。「答案用紙」タイプは問題を解くだけでなく、自分がどのように問題を解いたのか、その分析にも使います。このため分析段階で特徴などを見つけ出し情報を記載する空間もなくてはいけません。このためにも余白は十二分に取る必要があるのです。

私の場合、「答案用紙」の場合、キャンパスノートタイプにし、右半分しか使いません。左半分はメモ用。バインダーにしないのは「左右でワンセット」だからです。

区切りを大事にする


東大合格生のノートはかならず美しい』では、見開き単位での区切りについて述べていますが、ノートそのものの区切りと言うものも同じように大切にしているはずです。どのジャンルでもサブジャンルと言うものがありますが、それらの単位でノートはまとまっているでしょう。

ようするに「この内容を知りたければどのノートを見ればいいのか」という段階で混ざらないようにしてあるわけです。

なので、ノートのページ数は少ない目に、冊数は多い目に、というのがノートを買う段階でのコツになります。

答案用紙タイプの場合、答の区切り、と言うものも大事になります。特に数学の証明問題は、
1) 問題の分割
2) 各部分問題の解
3) 全体をまとめ直して問題全体に対する解にする
という3段階に分割できるものです。1,2,3がそれぞれどこからどこまでなのか、2は各部分解がどこからどこまでなのか、判るように記載するべきです。これには「余白」も大事になりますし、「丁寧に書く」事も大事になりますが、同じぐらい「区切り」単位で証明等を離して書く、などの対処にも繋がります。


他に面白い『区切り』として、物理の力学と数学を混ぜるというのもあります。

ご存知の人はご存知の通り、微積分とベクトル・行列はそもそもニュートン力学を表現する上で必須の知識です。逆の言い方をすると、微積分と線形代数を先に、ニュートン力学を後に勉強すると苦労が大幅に減る。この場合、力学と数学を別々に勉強してしまうと逆に苦労が増える。なのでこの2つはわざと「物理・数学のように区切らずに」ノートを作る。

丁寧に書く


メモは比較的走り書きにするでしょう。資料は丁寧に書くのは(後で見直すことを考えれば)当然です。
答案用紙も実は丁寧に書くべきです。これは最終的に他の人に見せ、それによって採点を受ける答案を書くための練習台だからです。字が汚くて☓というのがうれしい人は、そうそういないと思います。

丁寧に書いていれば綺麗かどうかはともかく「読み易い字」を早く書くことができるようになりますしね。その意味では「丸文字」等の変形文字は使わないことも重要です。

バインダーは使わない


「余白」の部分ですでに説明しましたし、『東大合格生のノートはかならず美しい』にもありますが、資料・答案用紙型のノートは「見開き単位で」埋めていくものです。

しかるにバインダー型ノートは「紙単位」で管理するもの。見開きの左右がばらばらになってしまう危険性があるので、資料・答案用紙についてはバインダーを使わないほうがよいのです。

一方でメモは片面単位で使うことも出来ますし、1枚単位で追加削除できる方が利便性が高まります。なのでこちらはバインダーでも構いません。ただし、ノートはバルクで買うとどんどん安くなるので…気分転換以外の理由でバインダー型を併用するメリットはあまりありません。




というわけで。以上の条件をちゃんと満たしていればOK。インデックスなんて無くても構いません。文頭が揃ってなくてもOK。全く問題はありません。

ちなみに。
この本は「コクヨ」の CAMPASノートのニューバージョンの広告を兼ねています。が、私に言わせれば、ドットを打つよりもプロジェクトペーパー(7mmぐらいの方眼用紙)でノートを作ってもらった方が、よほど使いやすいと思いますね。これを2x2を1枡として使っていく。そのほうが快適なノートが作れます。