2007年5月28日

Content-addressable storage -3- 続々・ファイルの一生

というわけで、前回の続き。ILM(Information Lifecycle Management: ジョージ・ルーカスの有名なCGエフェクト集団ではない)ってのが提唱しているファイルのライフサイクルの話。こっちのほうが正しい、と言う話。ちなみに、私自身は ILM の考えは正しいと思うが、ILMという名前はいただけないと思う。FLMだろ、これ。

さて、ILMではファイルの一生を3つに区分けする。

1つ目は赤の領域で、write 優勢。これは前回と同じなので詳しく説明しない。

もんだいは2つ目と3つ目、緑と青の領域だ。これはどちらも read 優勢であることに変わりは無い。
違うのは、ファイルに対する参照頻度。緑は参照頻度が高いが、青は参照頻度が低い。

緑はいっぱい参照されている。ファイルはいっぱい読み出される。もしかするとコピーもいっぱい取られているかもしれない。そのコピーはコピー先で変更されているかもしれない。とにかく読み込み専用ではあっても活発なのだ。

これに対して青は、参照もされない。まったくされないわけではないが、そんなに頻度は高くない。こう…引退して、縁側で渋茶すすっている爺さんって感じ?取り合えず青で表現しているけど気分的には、ロマンスグレー。


このようにファイルの一生を分割すると、図にもう描いてあるように、赤と緑の領域は高速なIOが可能な高性能HDDや、HDDの中でも外周部と呼ばれる読み込みが早い領域に置くのが正しく、青の奴はゆっくりな低性能HDDや、同じHDDの中でも内周部で十分、必要ならばデータ圧縮をかけてさらに小さくしてやれ、という態度でかまわないことが判る。計算機のリソースは高性能なものと低性能なものではやはり値段に差があるのだから、高いものはよくアクセスするファイルに割り当て、安いものはめったにアクセスしないものに割り当てるのが正しい。

「アクセス頻度」を念頭に置くことで平均的なビットの保存単価を下げる事に頭が行っていれば。たとえトップスピードが低くてもいくらでも市場はあったのに orz これは明らかに私が馬鹿だった証拠だ。


ちなみに、このような分類だと、赤い所はやはり NetApp が強い。
緑の所はデフラグ機能がしっかりしている NAS 製品であれば、きっと大抵のものが良いスコアを出す。
そして青の所は、値段とメンテナンサビリティのバランスが取れた製品を使うことができるはずだ。
あとは、ファイルのライフサイクルにあわせて、
赤のマシン緑のマシン青のマシン
と、ファイルをユーザーから見て透過的になるように移動する機能があればよい。

そう、IBMの時に思いつくべきは「NetApp以上の性能を出せるマシンを作る」事ではなく、NetAppを赤の領域用管理システムとして配下に置く システムだったのだ。

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まぁ、過去に対する反省はこれぐらいにするとして。問題は青の領域。

なにぶん、私も思いつかなかったのだが、他の人も大抵思いついていなかったらしく、この青の領域で何ができるのか、実はあまり製品研究は始まったばかり。そして、その過程でいくつもの
「昔聞いたときは何じゃそりゃだった代物」
が脚光を浴び始めている。

CAS もその一つだ。

というわけで、第4回目にして始めて! 本題に入れるようになった。

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